DATE : 2007/04/05 (Thu)
4月1日に植草一秀氏への被告人質問の内容を書きましたが、その追記です。
植草氏が電車に乗るまでの部分の証言です。
午後6時半~JR大崎駅に隣接した大崎ニューシティー内にある中華料理店で顧問をしていた会社の宴席に出席していた。
それまでは外苑前にある別の顧問会社に行っていたそうです。
外苑前から地下鉄で新橋まで。新橋からJRで大崎駅に行った。
タクシーは利用されることは少ないのですか?の質問に
普段の移動は、自分で車を運転していて、それ以外は電車が中心。
理由は、(植草氏の)事務所が駅から歩いて20~30秒ほどの場所にあって、電車が便利。
そして、経費節減が主な理由。
宴会では何を飲んだのですか?の質問に
ビールと紹興酒だったと思います。
ビールは高さ10センチくらいの普通のグラスで5、6杯だったと思います。
紹興酒は、数えながら飲んだわけではないので、はっきり覚えていませんが、
高さが5、6センチの小さめのグラスで2、30杯以上は飲んだと思う。
宴会の途中から一気飲みをずいぶん勧められたので、かなり速いペースで飲んだと思う。
普段は、毎日、お酒を飲むのですか?の質問に
毎日は飲みません。
会食が続くと何日か続けて飲むこともある。
飲まない時は10日ほど飲まない時もある。
この日は中華料理のフルコースでお酒の飲み放題のコースがセットされていた。
しかし飲めない人が何人もいて、飲める人がたくさん飲まなければという話が宴会のの初めの20分くらいのメインの話題だった。その結果、お酒を飲める人がたくさんお酒を飲むことになった。
宴会の初めのころの出来事は覚えているけれど、途中からの出来事は覚えていない。
それは今覚えていないだけでなく、事件直後も覚えていなかった。
そのようにお酒を飲んで記憶がなくなることはよくあることなのですか?の質問に
過去にお酒を飲んで眠ってしまったり、一部記憶をなくすということは、数えてみたら15回程度あったと思う。
お酒を飲んで記憶がなくなったときは、きまって体が疲れているときに一気飲みで大量のお酒を飲み、記憶がなくなったり、眠ってしまったりというパターンでした。
この日がまさにこのパターンだった。
お酒をのんで記憶がなくなった過去の例で変な行動を取ったことはありますか?の質問に
多少陽気になって、そのあと眠ってしまうようです。
人に聞いても特に変わった行動をとっていたことはないと言われる。
宴会の初めのころの出来事は覚えているけれど、途中からの出来事は覚えていない。
宴会で会話した内容に関しては、
取り調べで聞かれ、思い出そうとして考えると、ゴルフの話題があったことを覚えている程度。
覚えているのは、宴会の最初に飲み放題のコースであるにもかかわらず、お酒を飲めない人がたくさんいるので、お酒を飲める人が大量にお酒をおまなければとの話題が中心になっていいたこと。
常務が中国での紹興酒の話題について話をされていたこと。
出席していた社員の家庭に子供が生まれることなど。
取り調べの際に、検事から、ゴルフコンペの日程をきめていたらしいことを聞かされて驚いた。
(植草氏の)手帳の11月3日に『ゴルフ』という書き込みがあり、この日にゴルフコンペの日程を自分で入れたらしい。しかし、11月3日は家族旅行の予定だった。なぜその日に書き込んだのか分からなかった。
顧問会社の社員の方の供述調書による会話内容でもいくつか確認。
その日政治家の方と会っていたということから、政治の話になったことはは覚えていますか?の質問に
到着した時に、昼にある政党の本部に行ったことを話した。政治の話を多少したようには思います。
社長交代に伴う仕事の話をしたということは覚えていますか?
覚えていません。
五反田にある飲食店に関して、あそこがうまいというような話をしたことは覚えていますか?
覚えていません。
宴会が終了したのは何時だったのかは時計を見ていませんので分からない。
中華料理店の個室を出るときの出入り口の光景を断片的にだけれど覚えている。あとは思いだせない。
大崎駅まで誰かと一緒だったような気はするが、よく覚えていない。
宴会後の予定は、その時のことは覚えていないけれど、当日の予定としては事務所に帰る予定だった。
それは事務所に宿泊するという事。仕事が遅くなるに時はよく事務所に泊まる。
(植草氏が)京急を利用するのは、月に6、7回くらいではないかと思う。
普通は駅のJR構内から通じている連絡改札を利用する。
その時はパスネットを使ったように思う。
普通は上りホームには、右手の階段を下り、階段を上ります。
改札を通る瞬間、前方に電車が止まっていた光景を覚えていますが、あとはまったく覚えていない。
泉岳寺方面に行く電車ではなく、久里浜方面に行く電車に乗ったのはなぜですか?の質問には
電車に乗る瞬間に、『あ、逆方向かな』と思ったのですが、頭がよく働かず『ま、いいか』と思って乗ってしまった。
警察の調書に以下の事が書かれている。
『その電車に乗り込んだのは、連絡通路を渡って上りホームに行くのが面倒に思えたからです。とりあえず、その電車に乗ってどこかの駅で乗り換えればいいと考えていました。どこかの駅で階段を上り下りしなくても上り電車に乗り換えることができれば、その方が楽だと考えていました』
これは事実ですか?の質問に
事実です。『まあいいか』と思った理由をあとから冷静に論理的に説明するとこういうことになるかなということを説明のために話しました。
一度は、『やっぱり降りようか』と思い降りようとした。そのときに何人も人が乗り込んできてドアが閉まってしまったような記憶がある。自分が京浜急行のどの種類(快速特急・急行など)に乗ったかはまったく分かりません。
※事件が起きたのは3両目の真ん中のドアと言われていますが、植草氏はその電車の何両目に乗ったか、どのドアから乗ったかというのは覚えていないと証言されたようです。
乗り換えに関しては特にどこの駅でということは考えていなかったが、一旦反対に乗って乗り換えやすい駅で乗り換えようと思った。
そういう経験はあるのですか?の質問に
あります。(京急では?)以前にも一度だけあります。
地下鉄の乗り換えの際にそのようなことはよくあります。
具体的には?
例えば、外苑前から地下鉄の新宿に行く場合に、本来は赤坂見附で乗り換えだけれども、いったん溜池山王まで行き、溜池山王で反対側の電車に乗り、赤坂見附で丸ノ内線に乗り換えるというようなことがあります。
検事や裁判官の質問がシビアなのはわかっていますが、それが見物と報道陣が多くなるっていうのが許せないですね。
弁護側の質問をほとんど報道してくれなかったのに、反対尋問の検事の言い分だけ報道するんじゃないかと予想できるし、そのとおりになりそうなのが悔しいですね。
「ジャーナリスト」って、昔はもっと「弱者の味方」のような響きのある言葉だったのですが、今では「公権力の手先」というイメージが強いです。
どこがどのような報道をするのか、しっかりウォッチしていきたいですね。
(『それボク』でも、裁判官の質問がシビアでした。)
次の公判まで間があるので、検察は入念な準備をしてくると思います。イヤな質問や、感情的になるような質問もしてくるでしょう。それが見ものと、報道陣も多く来ると思います。
植草氏のほうも、十分に心の準備をして臨んでいただきたいと思います。(私などが、おこがましいことですが…)
私は、各公判の後に出される傍聴記などを見た限り、弁護側と検察側(逮捕者も含む)の証言で決定的に違うのは「話の周辺までふくめた、具体性の有無」のように感じました。
残念ながら、検察に有利な証言をされる人は「泣いていた」「この人に間違いない」「〜と(私は)思った」
それぞれ、争点として大事なポイントなのですが、その周辺の部分にリアリティを感じない気がしました。
例えば、「犯人は、この男性に間違いない」ハズなのに「メガネの有無」さえ証言できない。
「そう思った」という事を、その場にいなかった人に説明するには、相手が「ナルホド」と感じるような補足の情報が無いと、「そんなもんかいな〜」としか感じません。
今回の、それぞれの証人の証言が、まさにコレ。他人を納得させるほどの説得力がない感じです。
対して植草さんの証言は、私たちの経験に照らし合わせても、リアリティがあると思います。
判決のポイントは、これらの証言のどちらが「裁判官から見て、リアリティがあるか」がポイントだと思います。
事件当初、このブログでもすごく問題になった、「タクシーに乗らなかった理由」と「反対方向に乗った理由」が、今回の公判できちんと説明されてよかったです。
「それボク」でも、「次の駅でドアが開くのに、どうしてドアに挟まったコートを引っ張り続けたか」の理由を答えられた時に、それまで不信の目で見ていた女性弁護士の信頼を得ることができましたね。
被疑者と証人のどちらかが嘘をついているとすれば、論理に矛盾があり、行動に一貫性のない人ってことになりますよ。
公正に判断していただきたいですね。
って質問、思わず笑ってしまいました。
>過去にお酒を飲んで眠ってしまったり、一部記憶をなくすということは、数えてみたら15回程度あったと思う。
ええ〜?ホントですか?
なんだか「堅物」って印象がガラガラ崩れてるんですけど…。(^_^;)
>お酒をのんで記憶がなくなった過去の例で変な行動を取ったことはありますか?
って質問も笑えますね。(;^_^A
>多少陽気になって、そのあと眠ってしまうようです。
って、見てみたいですね。(^_^;)
すみません。あまりにおもしろかったので…。
次回は真面目にコメントします。<(_ _)>