DATE : 2007/07/26 (Thu)
9月14日から伝えられた植草氏の巻き込まれた事件の報道を読み返してみると、
14日昼前には逮捕の一報のみが伝えられ、15日朝までに徐々にその内容が詳細かつ具体的になってくる。
いずれかの時点で警察からマスコミ各社に何らかの情報提供がされたと考えるのが普通だろう。
被害者供述からしかわからないはずの事が書かれている。
マスコミがただ警察とは関係ないところで情報収集をしたとは考えられない具体的な記述だ。
伝えられたものは、日刊スポーツ9月14日の記事を例に挙げると、
車内の混雑具合から始まり、
植草氏は被害者と言われる女性の右斜め後ろに立ち、左手で右のお尻を触り、
左手をスカートの中に入れたという具体的表現まで。
その他、30代男性2人が車内で取り囲んで逮捕したという事、
植草氏の所持金まで書いている。
このような具体的な事は警察から出された情報以外の何物でもない。
勝手に記者が書くという可能性は少ない。
事件の状況などは勝手な推測で書いて現在進行中の裁判と大枠で一致している事が書ける訳がない。
マスコミの記事は確実に警察から流された情報で書いている。
『大枠で一致』していると書いたのには理由がある。
最初の頃と事件の詳細が随分変わっているからだ。
先ほども書いた、
【左手で】右のお尻を触って【左手を】スカートの中に入れたという部分は、
【両手で】触って【右手を】スカートの中に入れたに変更されている。
そういう目撃者(検察側目撃証人)が名乗り出たために変更になったのだろうかと想像する。
30代男性【2人】が【車内で】取り囲んで逮捕したというのも、変わっている。
逮捕者によればもう一人は車内で協力してくれたのは気がつかなかったと証言している。
それは検察側目撃証人も車内の状況を説明する際、第2の逮捕者の事を何も述べていないことから
検察側目撃者によって補強・裏付されているように思えるが、
実は初期の報道(もちろん警察情報を基にしたもの)から変わっている。
第9回の弁護側目撃証人だけが車内での2人目の逮捕者を見ているような証言をしているが、
車内から逮捕者は二人だったのだ。
初期の警察から出された情報を元に書かれた記事と照らしてもこれが事実だろう。
植草氏も左側と後ろを掴まれたとおっしゃっています。
検察側目撃者と逮捕者。証言を合わせるように検察が質問をコントロールすることは簡単。
相互で補強し合う証言を出し、裁判官に証言の信用性を強調しても、最初の頃からこれだけストーリーを変えていては信用性も何もない。
マスコミは警察が情報を流さなければわからないことを記事にしている。
マスコミが書いた事件の詳細は警察が言ったこととイコールなのだ。
都合の良いように変遷していることを見落としてはならない。
参考:9月14日日刊スポーツ記事
調べによると、植草容疑者は13日午後10時15分ごろ、京浜急行下り線の車内で、神奈川県内に住む高校2年生の女子生徒の臀(でん)部をさわった疑い。京急品川駅を同10時8分に出た快速特急に乗り、制服姿の女子生徒の右後方から体を密着させて、左手で右臀部をスカートの上から触った。車内の座席は埋まっており、立っている人も多くいたが、乗客の体が触れ合うほど込んではいなかった。1分程度さわり続けたが、女子生徒が我慢して声を出さなかったため、植草容疑者の行為はエスカレート。左手をスカートの中に入れ、下着の上から臀部を触ったため、女子生徒は泣きながら振り向いて「やめてください」と声を出したという。異変に気付いた2人の30代男性が取り囲むと、植草容疑者は抵抗することなく、身柄を取り押さえられた。次の停車駅の京急蒲田駅で女子生徒と男性2人とともに下車。電車を降りる際に一瞬逃げるようなそぶりを見せたが、失敗し観念した様子だったという。ホームでは植草容疑者に気づいた利用客らが集まり騒ぎになった。その後、駅員の通報で駆けつけた蒲田署員に引き渡された。植草容疑者は当初「右手にはバッグを持っていたし、左手はカサを持っていたので触れるわけがない」と話していたという。しかし女子生徒は、植草容疑者が手首にカサの柄をかけて手のひらで触っていたと証言している。その後の調べでは「覚えていない」と供述が一変。また「帰宅途中だった」と話しているが、痴漢をした電車は港区の自宅とは逆方向。同署では供述に不自然な点があることから、さらに追及していく。所持金は数十万円。手鏡は持っていなかった。酒に酔っていたが、酩酊(めいてい)状態ではなかった。
速記録で言えば488~のあたりです。
前後にたくさん言葉を使ってあるのでごまかされるのですが、逮捕者が被害者に声をかけた時点と、ネクタイをつかんだ時点との間、K証人によれば5分ほどの話が、完全に抜けていますね。
先にも引用しましたが、この部分です。
492.○小出検察官 女子高生はその男性に対してどういう態度をとっていましたか。
493.○証人 話している中でうなずいているようなしぐさは見えました。
494.○小出検察官 それから、どうなりましたか。
495.○証人 話しかけた男性がおじさんのネクタイをつかみました。
ネクタイをつかんだのが5分後の話なら、この証言は非常に不自然でしょう。検察がわざと飛ばさせたとしか考えられません。
なぜ飛ばすのか?
わかりませんが、検察側にとってよほど都合の悪いことが、この5分の中にあることは、間違いないと思われます。
409.弁護人2 それから、あなたともう一方、今回の逮捕に協力した方がいらっしゃるんですか。
410.K証人 はい。ホームにおりてしばらくしてからなんで、どの時点から手伝っていただいたかは記憶にありません。
446.弁護人3 証人がもう1人の逮捕者の方を認識したのはどの時点ですか。
447.K証人 ホームで男性が大分戻ろうとする動作をしていたので、要するに、結構暴れていたので、それをやっている途中から、徐々にいろいろあれして、周りについてきてはいたので、ああ、そういえば、さっき電車内にもいた人だなとは思って、そういう感じの記憶の仕方です。
後の証言などは、なんだかひどく言いよどんでいる印象です。
もう一人の逮捕者にどの時点から手伝ってもらったのかという問題を、できるだけ曖昧にしたいような感じがします。
第2回公判の検察側目撃者にしても、車内の後半5分の話が飛んでいたり、もう一人の逮捕者の話が出なかったりと、不審さを感じさせますね。
車内の後半5分にはどうして検察官は飛ばすんでしょうね。
今のところ触れない理由が私には見当もつかないのですが何かあるんでしょうかね。