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DATE : 2024/05/03 (Fri)
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DATE : 2007/10/16 (Tue)
植草さんは今現在、また勾留されています。
悔しいでしょうがなんとか頑張ってください。
追記:16日保釈が決定しました。

私は、植草氏が無実だということを裁判を通して確信していると言う事を先に述べておきます。
そしてこの判決を不当だと思っています。

私と同じ考えを持つ方は多くいらっしゃると思います。
産経新聞の出した判決要旨を皆さんにも読んでいただきたいと思います。

判決要旨を読んだ上で、なぜこのような不当判決が出されたのか考えてみたいと思います。
植草さんの主張は一切伝えず、検察側のみの主張を伝えるマスコミですが、この判決要旨を公開した事は、逆に不当判決を世に知らしめるのにとても重要なものになると思われます。

この事件の裁判でのやりとりは詳しくわかっていますし
その内容を知った上で、判決要旨を読めば、この判決が不当である事がより明らかになると思います。


植草さんの裁判は監視している人がとても多い。
ごまかせはしないのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下全て産経新聞Webニュースより転載。

【主文】
 1 被告人を懲役4月に処する。
 2 未決拘置日数中60日をその刑に算入する。
 3 訴訟費用は被告人の負担とする。

【理由】(罪となるべき事実)
 被告人は、平成18年9月13日午後10時8分ごろから同日午後10時10分ごろまでの間、東京都港区高輪3丁目26番26号所在の京浜急行電鉄株式会社品川駅から大田区蒲田4丁目50番10号所在の同社京急蒲田駅に至る間を進行中の京浜急行本線電車内において、乗っていた被害者に対し、スカートの上からその臀部付近を両手でなで、さらに、そのスカートを右手でたくし上げ、パンティーの上からその臀部付近を右手でなでるなどし、もって、公共の乗物において、人を著しく羞恥(しゅうち)させ、かつ、人に不安を覚えさせるような卑わいな行為をした。

 1(事実認定の補足説明)
 1 弁護人は、判示記載の被害者が同記載の日時に同記載の電車(京浜急行品川駅午後10時8分発快速特急京急久里浜行き電車)の前から3両目の車両(以下、「本件車両」という。)内において痴漢の被害にあったことおよび被告人がそのころに本件車両内にいたことは争わないものの、被告人は、本件の犯人ではなく、別人が犯人であるから、無罪である旨主張し、被告人も、本件については身に覚えがないことであるとして、これに沿う供述をする。
 したがって、本件の争点は、被告人が本件犯人であるか否か、すなわち、被告人と犯人との同一性いかんということになる。<page/>

 2 まず、前提として被告人、被害者、目撃者および逮捕者が本件車両の真ん中ドア付近ないしはその周囲の座席付近に立っていたことは、証拠関係上明らかである。

 3 そこで次に、被告人から臀部付近を触られたと述べる被害者および被告人が被害者の臀部付近を触っているのを目撃したと述べる目撃者の各供述の信用性を検討する。なお、本件で、弁護人は被害者が痴漢の被害にあったこと自体を争わないことは前記のとおりであるが、被害者および目撃者の各供述はいずれも、痴漢の被害そのものに関する部分とその犯人の特定に関する部分が連続する形で述べられているので、以下では、これを併せて検討することとする。

 (1) ア 被害者の供述の要旨は以下のとおりである。
 京浜急行品川駅(以下、駅名はいずれも同会社の駅名をいう。)で、本件車両の真ん中ドアから乗車し、同車両の真ん中に当たるところから進行方向に1歩進んだところに、進行方向を向いて立って、ヘッドホンで音楽を聴いていた。電軍が動き出すのと同時くらいに、誰かの上半身が背中に触れるのを感じて、自分の背後の極めて近い距離に人が立っていることに気付いた。
 本件車両内は、席が埋まり、多くの人が立っていたが、ある程度、乗客どうしの間に距離が取れる状態であったので、自分と背後の人物との距離は明らかに不自然だったため、確信はできないまでも痴漢かと思った。<page/>
 直後に、腰や尻、太ももの左右の両側面を着衣の上から、手のひらで触られた。左右とも同じように、同じ位置を触ってきたので、背後の人が両手で触っているのではないかと思った。そして、すぐに、左側に置かれた手で、左の臀部付近を、最初に手が置かれたところを中心に円を描くように、なで回され始めた。 感触的には、手のひらの指の腹の部分を使ってなで回されている感じで、手首はさほど動かさず手首を支点にするようにして、手先が動いていたという感じだった。その間、約20~30秒間くらいで、右側の手は動かず、最初と同じ揚所を触られたままだった。明らかに意図的な行為で痴漢だと確信したが、怖さや焦り、これからどうしようという気持ちでいっぱいで、体を移動させたり、痴漢をやめさせたりする行為はとれなかった。左側の手の動きが止まると、続いて右側の手で同じように、最初に触られた部分を中心に円を描くようになで回された。それは、左側よりも長く30秒間以上で、その間、左側の手は触れていたが止まっていた。そうして着衣の上から臀部付近をなで回されているときに、助けを求めようと思い、自分のそばにいた男性に2、3回ほど目線を送ったが、助けてもらえず、これからは自分1人でこれに対処しなくてはいけないと思った。
 そこで、右の臀部付近がなで回されてるときに、背後の人が犯人であるかどうかを確認しようと、まず、頭を下げて右に向くかたちで、なで回している犯人の右手を確認しようとしたが、自分のかばんが邪魔をしてみることができなかった。次に、自分の左側を確認しようと、できるだけ犯人に気付かれないように、体や腕は動かさないで、首だけ傾けて視線を下に向け、触っている左手を確認した。指は5本全部は見えなかったが、手の甲は見えていた気がする。また、袖口は、かすかに見えていた気がする。その左手が来る方向、角度からして、真後ろに立っていなくては置けない位置だったので、背後の人が犯人に間違いないと確信した。
 見えた左手の手首には、厚みのある茶色の木製のものが掛かっていた。そのときははっきりと何かは分からなかったが、今では傘の取っ手だったと思う。背後に立っている人が犯人に間違いないと分かったが、逆に怖さが増して、さらに焦ってしまい、その時点では、痴漢をやめさせる行為には出なかった。
 しかし、その後、犯人の右手の指先が皮膚に触る感触と、足下がスースーする感覚で、犯人の右手でスカートがたくし上げられていることが分かった。そして、下着の上から、臀部付近をなで回された。気持ち悪い、恥ずかしい、やめてほしいという気持ちが高まり、これ以上、行為をエスカレートさせてほしくなかったので、ヘッドホンを取り、右回りに振り返って、「やめてください」と言った。振り返ってみた犯人は、目を見開いて、「やばい」と感じているような表情をした。<page/>
 その後、自分は犯人に対して、「恥ずかしくないんですか、子供たちの前で」などと言った。犯人は40歳代半ば、身長170センチ以上で、黒髪を真ん中分けにしており、黒っぽいスーツを着て右肩からかばんをぶら下げていた気がする。眼鏡を掛けていたかははっきりと覚えていない。
 そして、背後にいた人物は、被告人に間違いない。

 イ まず、被害者の被害状況についての供述は、痴漢行為の態様等を被害状況の時間的流れの中で、自らの心理状態も交えつつ、順序立てて具体的詳細に述べるものであって迫真性に富んでおり、後述する目撃者の供述とも極めて符合し、十分に信用できる。
 これは、被害者が、痴漢被害に遭って不安な状況下にありながらも、正確に状況を観察し認識していたこと、その際の記憶をよく保ち、ありのまま誠実に供述していることを示しているといえる。
 他方、犯人を被告人と特定する部分について言えば、まず、被害者は、被告人に対して何の利害関係もないことはもとより、これまで、被告人と面識すらなかったのであるから、ことさら被告人を陥れる理由はない。そして、被告人を犯人と特定した経緯の部分は、まず、犯人の手を確認して犯人の位置を特定した上で、振り返って、犯人と対面するというものであって、犯人を識別した経過につき自らの観察と認識を時間的流れの中で具体的詳細に述べていると評価できるし、その供述内容も極めて自然である。
 他方、被害者の矯正視力は両目で0・7~0・8と支障なく、被告人が、当時、現に木製の取っ手のついた傘を所持していたこともその信用性を裏付けている。

 ウ この点、弁護人は、(1)被害者が犯人の左手を確認したと供述する点については、その供述どおりの姿勢では、自己の左腕に遮られて、自己の左臀部を触っている犯人の左手やその手首に掛かった傘の取っ手を確認することが不可能であるから、被害者は視認状況を誇張して述べており、また、傘の取っ手については警察の誘導によってそう思い込んでいるにすぎないなどとその信用性を弾劾した上、仮に同供述が真実だとしても、それは真後ろにいて、かつ、茶色の木製の取っ手の傘を持った人物が犯人であると識別できたということにすぎず、そのような取っ手は珍しくなく、被告人は被害者の真後ろではなく右後ろに立っていたと主張し、また、(2)被害者が振り返って被告人が犯人であることを現認したと供述する点については、被害者の背後に立っていた真犯人が、被害者がヘッドホンを外す動作に気付き、危険を察知して右後方に2、3歩、後ずさりして、人と人との間に紛れたため、被害者は右後方にいた被告人と真犯人を取り違えたものであるとして、被害者の犯人特定経緯について疑問を呈する。
 しかし、(1)の点については、首を傾けて下を向けば、自己の臀部の側面に置かれた手や手首を観察しうることは経験則上明らかであるし、また、被害者は一連の観察を通じて犯人識別をしているのであるから、弁護人の指摘は当たらない。また、(2)の点については、弁護人の主張は、要するに、その想定する真犯人が真実に存在するという前提に立って、被害者の供述の信用性を論難するものであり、そうした真犯人の存在は、証拠上全くうかがわれず、後述の目撃者の供述にも明らかに反するものであって、その主張はいずれも採用できない。
 (2) ア 目撃者は、その目撃状況について、要旨次のとおり供述している。
 品川駅で、本件車両の真ん中のドアから乗車し、入ってすぐの広い場所に進行方向右側のドアを向いて立っていた。被害者は、目撃者から見て左である進行方向を向き、目撃者の真ん前、77センチメートルくらい離れた位置に立っていた。初めに被害者と被告人を見たとき、被害者の背後に被告人が同方向を向いて密着しており、本件車両内は、立っている乗客も多く混雑していたが、隣の人と体が触れ合うようなことなく立っていられるような状態だったので、被害者と被告人の距離には違和感を覚えた。被告人の両手ともに被害者のほうに前へいっていたが、その時点では、2人の距離や被告人の体勢に不自然さを感じた程度で、被告人が被害者に痴漢行為をしているとは思わなかった。
 電車が品川駅を発車して、1、2分たったころ、ふと見ると、被告人の左手が被害者の左側面の腰から尻にかけての辺りを触れていた。被告人の指先から袖口辺りまでが見えた。被害者のスカートに、触られたこと
によるしわができていた。見た瞬間は、痴漢の可能性はあると思ったものの、電車の揺れや混雑のせいなど何らかの事情で偶然手が触れてしまっているのかもしれないと考えて、痴漢だと確信はしていなかった。
 しかし、見極めようとしばらく被告人および被害者の様子に注目していると、その後、電車が揺れたり、被害者が自ら体を動かしたりして、被害者の体が動くというようなことがあっても、被告人の左手が離れることなく被害者の体に付いていき、2分間くらい触ったままだったことなどから、最終的に痴漢行為をしていると判断した。
 痴漢行為をしていると確信した後は、右手も左手と同じように、被害者の体を触っているのではないかと考え、実際、右腕は前に出ていたが、右手は見ていない。被告人は、少しうつろな目をしていてボーッとしたような感じだった。被害者は困感したような表情をしていて、自分のほうを見てきたため、助けを求めているんじゃないか、やめなさい、と注意しようかとは考えたが、実際には、注意して被告人が暴れたりしたら嫌だな、被害者が自分に賛同してくれなかったら困るなということも考えて、痴漢行為をやめさせるために被告人の顔を注視したくらいで、それ以上に注意することはできなかった。
 その後、被害者は、後ろを振り返り、「何やっているんですか」「子供の前で恥ずかしくないんですか」「次で降りてください」などと、被告人に対し、抗議していた。初めはき然とした感じだったが、最後のほうは涙まじりで、言い終わった後は、その場でうつむいて顔を押さえて泣き出した。
 一方、被告人は、被害者が振り向いた直後に、1、2歩後退し、進行方向右側のドアの方向を向いた。
 イ まず、目撃者は、被告人および被害者に対して何の利害関係もなく、ことさら被告人を陥れる理由もないし、ことさらに被害者に有利に供述する理由もない。また、その供述は、自分が見たことをそれぞれの時点での自らの心理状態も交えつつ具体的詳細に述べるものであること、被害者の被害状況について被害者の供述とも極めて符合すること、目撃者は視力も左が1・5、右が1・2と十分であり、被害者と被告人からの距離も近く、痴漢ではないかと疑惑を抱いた後、相当時問を注意して観察していること、また、被害者から助けを求められたが助けられなかったなど自分にとって不利なことも率直に述べるなど誠実な供述態度がうかがわれることから、その供述には十分な信用性が認められる。
 なお、目撃者が、電車が蒲田駅を発車した後、痴漢を目撃しながら何もできなかったことを悔いる内容のメールを送信したことが認められることは、その供述を裏付けるものでもある。
 ウ この点、弁護人は、目撃者が、被告人の顔を見たと言いながら被告人の掛けていた特徴のある眼鏡を覚えていないのは不自然であること、被告人の右肩が見えていたと言いながら右肩に掛けていたかばんを覚えていないのはおかしいこと、左手を見たと言いながら持っていた傘を覚えていないのはおかしいこと、その証言時、被告人の顔や体格が本件目撃当時に比べてやせていることに気付かないのは不自然であることなどを指摘して、被告人が被害者の臀部付近を触っていたのを目撃したという目撃者の供述の信用性を弾劾した上、被害者が振り返った後の被告人の立ち位置について、目撃者が述べるところと後述の逮捕者の供述内容が異なるとして、目撃者が目撃した犯人は被告人ではなく別の真犯人であり、目撃者は、真犯人が1、2歩後退してドアの方向を向いた後は、その姿を見失い、被害者が被告人を犯人と取り違えて抗議したことに影響されて、被告人を自分が目撃した痴漢犯人であると取り違えたなどと主張する。
 まず、被害者が振り返えった後の被告人の立ち位置について、目撃者は、被害者の背後に密着していた被告人が、「被害者が振り向いた直後、1、2歩後ろのほうに下がって、乗車したドアとは反対のほうのドアのほうを向いた」旨を供述しているところ、逮捕者は、被害者の「やめてください」という声を聞いて振り返ったとき、被告人と被害者の距離は51センチメートルより短いくらいで、すぐ後ろだったと述べている。
 弁護人は、これをもって、目撃者と逮捕者の述べるところが異なるとするのであるが、まず、被告人の被害者に対する方向についてみるに、目撃者は、「後ろのほうに下がった」と述べているのみであって、具体的に被告人の位置を図で示しているものではないから、これは右後方を含み得る趣旨の供述と解され、必ずしも逮捕者の供述と矛盾するものではない。
 次に、被告人と被害者の間の距離についてみるに、目撃者は「1、2歩」後退したことによって、被告人が密着していた被害者とどの程度離れたのかについては述べていないのであるから、それが数十センチであることは十分あり得ると言うべく、やはり逮捕者の供述と矛盾するものではない。そもそも、逮捕者の立っていた位置は、その供述によれば、被告人と被害者の位置から見て進行方向左側の真ん中ドアから進行方向へ2人目の座席の前であり、その位置から本件車両の真ん中に当たるところから進行方向に1歩進んだ位置にいた被害者と被告人の間の距離を正確に把握するのは難しいと推察され、実際、逮捕者自身、逮捕者からは被告人と被害者が一直線上に並ぶように見えたこと、角度的に被告人と被害者の間隔が見える角度ではないので、距離の点については、大ざっぱな印象であることを述べている。

 なにより、各自の本件車両内での立ち位置については、それを正確に記憶した上、さらに的確に表現することには限界があると言わざるを得ず、あいまいな点があったり、些細(ささい)なずれが生じてくるのはやむを得ない面がある。目撃者と逮捕者が、公判で供述したのが、それぞれ本件から3カ月余り、半年あまりたった後であり、相当な時聞が経過していたことからすれば、なおさらである。 この点についての弁護人の主張は採用できない。
 そして、目撃者は、痴漢行為時点における犯人の姿を見ていたのみではなく、その後も継続して、蒲田駅で被告人らが下車するまでの過程で、被害者から抗議を受けたり、逮捕者からネクタイをつかまれたりした人物の姿も目撃しているのであり、かつ、この人物が被告人であることは証拠上明らかであり、争いもない。弁護人は、目撃者が、被告人の眼鏡やかばん、傘を覚えていないのはおかしい、被告人の顔や体格がやせていることに気付かないのは不自然であるなどの理由で、目撃者が見たという痴湊行為時の男は、被告人ではなく、眼鏡を掛けていない、かばんや傘を持っていない別のやせた人物である旨を主張するのであるが、目撃者は、本件時における被告人の姿形、所持品等について、痴漢行為時とその後について分けて述べているわけでもなく、弁護人がこうした理由で、目撃者が見た人物が痴漢行為時においてのみ被告人ではないと主張するのは強弁といわざるをえない。弁護人は、その主張を整合させようと、目撃者と逮捕者が各供述する被告人の位置が異なっていることを理由に、目撃者は犯人が後退した後その姿をいったん見失ったとするのであるが、位置の異動については前述のとおりであるし、そもそも目撃者は犯人の姿を見失ったなどとは一切述べておらず、また、当時の混み具合からして、痴漢騒ぎが起こった後に犯人を見失うというのも考え難く、弁護人の推論に過ぎない。
 その他、弁護人の述べるところは目撃者の供述中の些細なことを論難し、独自の推論を組み立てているに過ぎず、目撃者の供述の信用性を下げるものでは全くないし、推論も合理性を欠いており、その主張を採用することはできない。
 4 以上のように、被害者および目撃者の各供述中の犯人を識別する供述部分はそれ自体信用性の高いものであるが、さらに、以下の事情から、その信用性が補強される。
 (1) ア 前記信用できる破害者および目撃者の各供述に加え、被害者が被告人に対して抗議をしているのを目撃し、被告人を逮捕した逮捕者、蒲田駅事務室で被告人に対する事情聴取を行った警察官の各供述など関連各証拠から、次の事実が認められる。
 被害者が、振り返り「やめてください」といったところ、被告人は、目を見開いて「やばい」と感じているような表情をして、数歩後退し、少し右方向に向きを変え進行方向右側ドアの方を向いた。そのとき、手を顔の前に失礼というような感じで上げて、被害者に対して2、3回頭を下げた。
 被害者は、被告人に対し、「恥ずかしくないんですか、子供たちの前で」「次で降りてもらいますから」などと言ったが、被告人は、目をつむって抗議に反応を示さなかった。被害者は抗議しながら泣きはじめ、そのまま泣いていると、逮捕者が近寄り、「触られたの、突き出す」と尋ねてきたので、うなずいた。逮捕者が、被告人の右腕を軽くたたいて、「突き出すからね」と告げたところ、被告人は、黙ったまま、かすかにうなずいた。その後、蒲田駅まで、被告人はつり革につかまって目を閉じていた。
 電軍が蒲田駅に着くと、逮捕者は被告人のネクタイをつかんで、逮捕者に協力した者は、被告人を押し出すかたちで本件車両から下車し、被害者はその後に続いて降りた。ホーム上で、被告人は、後ろにいる被害者のところへ行こうとしたが、逮捕者に止められた。そして、各人は、蒲田駅事務室に行き事情を聴かれるなどし、さらに蒲田警察署に行って詳しい事情を聴かれるなどした。
 被告人は、駅事務室に行ってからも被害者と話をしようとしたものの、それを駅員により止められると、自分のネクタイを使って自殺を試みたが、それも同人から止められた。当日午後10時30分ごろ、通報を受けて、蒲田警察署地域課地域第1係所属の警察官らが同事務室に来た。被告人は、警察官による聴取において、「あなたは何をしたのですか」との質問に対し、「電車の中で、女性に不快感を与えるようなことをしました」と答え、また、「間違いないのか」との質問に対し、「私がやったことには問違いありま」と答えた。
 その後、被告人は蒲田署に連行され、午後10時45分に生活安全課の警察官に身柄を引き継がれた。その間、被告人は、電車内や、降車後のホーム、駅事務室、蒲田署に連行されるに至るまで、被害者と話させてほしい旨は繰り返し訴えたが、やっていない、人違いなどと痴漢行為を否定するような言動や記憶にないなどとの弁解はしなかった。
 イ 前述したように、被害者および目撃者の各供述は、全般的に信用性が高いところ、被害者が振り返った後の状況について、被害者と目撃者の供述は極めて符合し、相互にその信用性を補強し合っているだけでなく、逮捕者の供述にも符合しているといえるから、その点でも両供述の信用性は高いと認められる。
 ウ 逮捕者は、被告人や被害者と利害関係はなく、その供述は被害者や目撃者の各供述とも符合するものであり(逮捕者の供述が、被害者が被告人に抗議した際、被告人は身をひいたのみであるとする点は、数歩後退したとする被害者および目撃者の各供述と異なるが、そもそも逮捕者は、被害者の「やめてください」との言葉を聞いてから、被告人や被害者の方を見ているのであって、目撃を開始した時点が目撃者らと異なるのであるから、矛盾するものではない)、十分信用できる。
 エ 警察官は、駅事務室で被告人を聴取したときのことについて、被告人が、同警察官の「あなたは何をしたのですか」との質問に対し、1度目は答えなかったものの、2度目はしばらく間隔をおいて「電車の中で、女性に不快感を与えるようなことをしました」と下を向いたまま答えた、その後「不快感って、どういうことなんだ」と尋ねたが、被告人は無言だったなどと具体的詳細に述べ、その内容も自然といえ、体験した者でなければ供述できない会話の流れである。
 また、同警察官は覚えていることと覚えていないことを明確に区別して述べており、警察官としてその職務上経験したことを誠実に供述していると認められる。同警察官の供述の信用性は高い(弁護人は、るる述べて同警察宮供述の信用性を弾劾するが、以上の具体的かつ自然な同警察官供述の信用性を損なうものではない)。したがって、同警察官が供述するとおりの事実が認定できる。

 オ 以上のように、被告人が、本件直後、被害者や逮捕者らから犯人扱いされても、痴漢行為を否定するような言動をほとんどとらなかったばかりか、被害者の抗議に対し、手を顔の前に挙げて、頭を下げるなど謝罪するような態度をとったり、駆けつけた警察官に対し、痴漢行為を認めているといえる言動をとっていることは被告人が犯人であることを強く推認させる事情といえ、被害者および目撃者の各供述の信用性を支える。
 この点、弁護人は、本件車両内で、被告人が声を出して反論していないことについて、被告人は、自分が有名人であり、以前にも事件に巻き込まれたことがあったので、大きな声を出して注目が集まると、被告人であることに気付かれ騒ぎになってしまうことなどを恐れたからであると主張し、被告人もこれに沿う供述をする。
 しかし、被告人は、同車両内で、単に反論しなかったにとどまらず、被害者の抗議に対し、失礼というような感じで手を顔の前に挙げて、被害者に対して頭を下げるなど謝罪するような態度をとったり(この点、弁護人は、被害者が被告人を犯人であると思い込んでいるために、被告人がかかわり合いになりたくないと思って下を向くなどしたしぐさから過剰な意味を読みとったにすぎないとしているが、被告人が手を顔の前に挙げたことについては、目撃者と逮捕者においても、被告人の意識的な行為ととらえているし、単に下を向くことと2、3回頭を下げることは明らかに異なる行動といえる)、駆けつけた警察官に対し、「女性に不快感を与えるようなこと」をしたと痴漢行為を認めているといえる言動をとっているのであって弁護人の主張はその前提において誤っている。<page/>

 また、弁護人は、被告人は、被害者の誤解を解くために被害者と話をしようとしていたのであり、話ができないことが分かると、逮捕されれば有罪と決めつけられ、家族に迷惑がかかるなどと考え、これらの重圧に耐えかねて自殺を図ったと主張するが、それらの行為はいずれも被告人が犯人であるとしても矛盾する行為とはいえない。

 (2) 被告人の指から採取した付着物に、被害者のスカートの構成繊維である強い青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維が付着していたこと、付着していた繊維は被告人の背広の構成繊維と異なること、被告人のネクタイの付着物に、同スカートの構成繊維である明るい青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維、さえた青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維、強い青色獣毛繊維と類似した色調の獣毛繊維が付着していたこと、付着していた各繊維は被告人の背広の構成繊維とはいずれも異なることが鑑定されており、これらの事実は、被告人が被害者の背後に密着し、そのスカートに触れたことと矛盾せず、被告人が犯人であることに矛盾しないといえる。
 もっとも、これらの付着していた各繊維は前記スカートに由来すると判定されたものではなく、他に由来する可能性も否定できるものではない。よって、前記鑑定結果は、被告人が犯人であることに矛盾しないという限度でのみ、被告人が本件の犯人であるとする被害者および目撃者の各供述の信用性を支える事情の一つとなる。

 5 以上より、被告人が本件の犯人であるとする被害者および目撃者の各供述の信用性は高く、関係各証拠から、以下の事実は優に認められる。

 (1) 本件車両において、被害者は同車両の真ん中に当たるところから進行方向に1歩進んだところに、進行方向を向いて立ち、被告人はそのすぐ背後に同方向を向いて立っていた。目撃者は、被害者の方向を向いて、被害者の左横約77センチメートル離れた位置に立っていた。逮捕者は被害者と被告人の左前方の座席の前に窓を向いて立っていた。車内は、体が触れ合うほどではないが、ある程度混雑していた。

 (2) 電車が動き出した直後、被告人は、被害者の臀部付近の側面を着衣の上から、両手のひらで触った。そして、すぐに左手で左の臀部付近を、なで回し始めた。
 その間、右手は動かさなかったが、左手の動きを止めると、続いて右手で同じようになで回した。
 その間、被害者は助けを求めようとそばにいた目撃者に2、3回ほど視線を送り、目撃者はそれに気付いたが、何もしなかった。
 その後、被告人は、右手で被害者のスカートをたくし上げ、下着の上から、その臀部付近をなで回していたところ、被害者が、右回りに振り返って、「やめてください」といった。<page/>

 6 (1) これに対し、弁護人は、被害者が痴漢被害に遭っていた際、被告人が立っていたのは進行方向右側の真ん中ドア寄り、進行方向寄りのつり革がある辺り。被害当時に被害者が立っていたと認められる位置の右後方であり、被害者の背後に立っていたのは被告人とは別の真犯人であって、真犯人は、被害者が痴漢行為に抗議しようしてヘッドホンを外す動作に気付き、危険を察知して右後方に2、3歩、後ずさりして、人と人との間に紛れたが、一方、被害者の右後方にいた被告人が、被害者の抗議に反応して、いったん被害者に注目したものの、右に顔を背けるような動作をしたことから、被害者が不審を感じて、被告人を真犯人と取り違え、目撃者も、被害者が抗議している被告人こそが自分が目撃した犯人に違いないと考えて、被告人と真犯人を取り違えた可能性を指摘して、被告人は、本件の犯人ではないと主張する。

 この点、後述のように、弁護側証人は、本件犯行時間とされる午後10時8分ごろから午後10時10分ごろまでの間、被告人の様子を見ていたが、痴漢行為はしていなかったと供述し、被告人も、本件当時、飲酒による酩酊のため眠ったような状態であったから記憶のない部分もあるが、痴漢行為は絶対にしていないと述べるところ、その弁護側証人や被告人自身でさえ、弁護人の主張する別の真犯人の存在は、供述していない。
 その他、関係証拠上、真犯人の存在は全くうかがわれず、弁護人が独自の推論に基づいて可能性を指摘するものに過ぎず、前記の各証拠に基づく認定事実を全く揺るがすものではない。この点に関する弁護人の主張は採用できない。

 (2) 次に、被告人は痴漢行為をしていなかったとする弁護側証人の供述の信用性を検討する。

 ア 弁護側証人の供述の要旨は次のとおりである。すなわち、本件当日品川駅から本件車両に乗車してすぐに被告人がいることに気付いた。進行方向左側の真ん中ドアから進行方向へ2人目の座席に着席して、品川駅から青物横丁駅ぐらいまで被告人を見ていたが、被告人は酒に酔い疲れた様子で右手でつり革につかまり下を向いて揺れており、痴漢行為はしていなかった。
 被告人の周りに女性がいた記憶はなく、当然密着もしていなかった。青物横丁駅を過ぎたあたりから目をつむってうとうとしていたところ、大森海岸駅を過ぎたあたりで、騒ぎが起きた。自分の右前に立っていた逮捕者が動く気配がして、反対側座席の方向へ向かっていき、見ると、被告人を押さえつけていた。
 うとうとする前、被告人がつり革につかまって揺れていたのを見ていたので、人にぶつかるなどして車内暴力を受けているのかと思った。「子供がいるのに」などという女性の声は全く気付かなかった。その後、逮捕に協力した者が押さえるのに加わり、被告人は、蒲田駅までずっと2人に押さえ込まれていた、本件車両内の混雑状態は、ドア近くのスペースは、多少人と人が触れ合うかもしれないが、それ以外はまばらだった。<page/>

 イ まず、弁護側証人の供述によると、同人は大森海岸駅を過ぎたあたりで被害者が痴漢の被害を訴え出て、逮捕者が被告人を押さえるなどして車内に騒ぎが起きたのに気がついたとする点は、品川駅から蒲田駅間は快速特急で10分間余りかかることおよび通過駅は9駅であり、大森海岸駅は品川駅から6駅目であることにかんがみれば、品川駅発車後間もなく騒ぎになったとする前記被害者、目撃者、逮捕者の各供述(被害者は、被害を受けた時間を発車直後から2、3分間と述べ、目撃者は、被告人が被害者の臀部付近を触っているのを目撃したのは発車1、2分後であり、触っていた時間は2分間くらいだったと述べ、さらに逮捕者は、被害者が「やめてください」との声をあげたのは品川駅を出て2、3分くらい後であり、声がしてから逮捕者が被害者のもとに移動するまでは1分間くらいとする旨述べているところ、これら述べる時間はすべて感覚に基づくものであって、言葉通りに直接認められるものではないが、品川駅発車後間もなく騒ぎが起きたとする点では一致している)だけでなく、品川駅を出てから、それほど時間のたっていないころとする被告人の供述とすら異なる。
 また、弁護側証人の供述は、それなりに大きな声で発言された被害者の「子供がいるのに」などとする言葉を聞いていない点、騒ぎの後蒲田駅到着まで、被告人がずっと押さえつけられていたとする点、本件当時に被告人のそばには女性はいなかったとする点など他の供述とことごとく異なる。
 すなわち、弁護側証人の供述は、被告人自身すら認めている動かしがたい事実と齟齬していることになり、弁護側証人が、本件車両に乗車していたことおよび本件を目撃したことの両面について相当の疑問を差し挟まざるを得ず、その供述は措信し得ない。

 (3) 被告人は、捜査段階から一貫して犯行を否認しているため、その供述の信用性を検討する。
 ア 被告人は、本件直前の宴会でビールをグラス5、6杯、紹興酒を20~30杯飲んで酔っ払ったため、その宴会の後半から断片的にしか記憶がなく、本件車両に乗り込んだ時点では、強い睡魔に襲われて記憶がなくなるほどの酒酔い状態でぐったりしており、本件当時も、「子供がいるのに」などという女性の大きな声で驚いて意識が覚めるまで記憶があいまいであるが、被害者と密着していたことはなく、痴漢行為はしていないなどとした上で、次のように述べる。
 目が覚めたとき、自分は、進行方向左側ドアの方向を向き、右肩にかばんを下げ、右手でつり革をつかみ、左手で傘の取っ手をつえのように上から押さえつけるようなかたちで持っていた。目を開けると自分の前にいたと思われる女性が、左回りに後ろを振り返るように、自分から70、80センチメートル離れた右前方に移動しているのが見えた。
 これは痴漢騒ぎかな、かかわり合いになりたくないと思い、進行方向へと体の向きを右に変え、元のように目をつむって下を向いていた。すると、30秒から1分間くらいたってから、突然体をつかまれたので、痴漢の犯人に間違えられたのではないかと思って、「ちょっと待ってくださいよ、何もしていませんよ」と非常に小さい声でつぶやいた。
 自分は人に良く知られており、また、前に事件に巻き込まれたということもあったので、ここで騒ぎにしたくない、駅に到着したら、しかるべき場所で女性に事情を聴き誤解を解いて、自分が無関係であることを理解してもらおうと思い、それ以上大きな声を出して痴漢行為を否定するようなことは言わず、電車が蒲田駅に着くまで、つり革を持って目をつむって顔を下に向けた状態で静かにしていた。手を挙げて謝るような動作はしていない。
 蒲田駅到着直前に、逮捕者らから「逃げるなよ」と言われたので「逃げませんよ」と答えた。到着後、逮捕者らから押さえつけられるかたちで駅事務室に連れていかれたので、女性と話すことはできなかった。ホーム上や駅事務室で、女性と話をさせてくれるよう何度も頼んだが応じてもらえなかった。
 痴漢の疑いをかけられたことは理解していたが、駅員など他の人にやっていないと言わなかったのは、女性と話をすることが先決と考えたためである。女性と話そうとして女性を捜そうとしたが、駅員から力ずくで阻止され、このまま女性の誤解を解かず、警察が来たら、一方的に犯人にされてしまう、マスコミなどにより、家族にも大きな迷惑がかかり、揚げ句の果てに無実の真相を明らかにできず悲惨なことが起こる、それを防ぐには、この場で自分が死んですべてのことを遮断するしか方法がないととっさに考え自分のネクタイで首を絞めて自殺を図った。
 しかし、ネクタイを駅員に取り上げられた。駅事務室に来た警察官からあなたは何をしたのですかとか、何があったのですかなどとは問われていないし、電車の中で女性に不快感を与えるようなことをしましたとは答えていない。犯行を認めるようなことを言ったことは一切ない。
 イ たしかに、本件直後の被告人の呼気から0・47ミリリットルのアルコールが検出されており、本件当時、被告人が酔っ払っていたことは否定できない。
 しかし、犯行を否定し、その後の行動について述べる被告人の供述は前記信用できる各供述に反するほか、それ自体以下のとおり不自然な点が多々あり、信用できない。
 すなわち、被告人は月に6、7回も品川駅を利用すると自ら認めているところ、いくら酔っているとはいえ別ホームから発車する上りと下りを間違えるのはいささか不自然であるし、それはさておくとしても、被告人の目的駅は品川駅から1駅であるところ、被告人は、電車に乗車した時点では逆方向であることに気付き、それから出発するまでに1分間以上もあったというにもかかわらず面倒であるからそのままその電車に乗っていたのは合理的な理由とは言い難い。
 また、電車内で犯人扱いされた際も、被害者や逮捕者らに対し、ほとんど否定しようとせず、騒ぎにするのを恐れていたとしても、目撃者等も捜すことなく、そのまま連行されたというのも理解しがたいし、駅事務室に来た警察官から、人定以外聞かれていないというのも不自然である。
 他方、被告人の供述を全体としてみた場合、本件車両に乗り込んだ時点のことについては、酒酔いのため記憶がないかあるいはあいまいだと述べる部分が多々見られる一方で、痴漢行為をしていないことは間違いないなど、自己に都合のいい点は明確に覚えているとしているのであり、自己の都合に従って供述しているとうかがえる面がある。
 弁護人は、被告人がいう位置関係からは、被害者の述べる態様の痴漢行為をすることはできず、かかる被告人の立ち位置は逮捕者の供述からも裏付けられているとするが、まず、逮捕者の地点は、各図面で見る限り、被害者の右後方という点では一致しているものの、位置としては異なっている。また、その点をおくとしても、逮捕者は、被害者の「やめてください」との言葉を聞いてから、被告人や被害者の方を見ているのであって、被告人が数歩後退した後から目撃を開始し始めていると認められるから、逮捕者の供述によって、本件当時の被告人の位置についての被告人の供述を裏付けることにはならない。弁護人の主張はその前提において採用することができない。
 (4) 以上のように、被告人が痴漢行為をしていないとする供述はいずれも信用性を欠くと言うべきであり、少なくとも、前記被害者および目撃者の各供述における被害状況および犯人識別供述部分の各信用性およびこれらを裏付けるその他の関係各証拠を排斥するに足りるものではない。
 7 以上より、被告人が本件の犯人である認定は揺らがない。
 (量刑の理由)
 痴漢行為は、混雑した電車内で、羞恥心や恐怖心から表立った抵抗が難しい女性の弱みにつけ込んで、自己の性的欲求の赴くまま、女性の気持ちを顧みることなく敢行されるもので、女性の人格を無視するのも甚だしい身勝手極まりない犯罪である。
 本件で、被告人は、年若い被害者に対し、その背後に密着して立った上、スカートの上からその臀部付近を両手でなで回し、さらに同女が声をあげるなどして騒がなかったのに乗じて、スカートの中まで右手を差し入れて下着の上から臀部付近をなで回すなど態様をエスカレートさせており、卑劣で悪質な犯行態様である。
 被害者の感じた嫌悪感や恐怖心は大きく、自ら被害を訴え出るのは相当な勇気が必要であったと推察されるが、被告人は被害者に対し何らの慰謝の措置も講じていないばかりか、自分は犯人ではないと主張し、被害者に証人としての出頭を余儀なくさせ、その精神的苦痛を増大させたといえる。
 被害者が、被告人に対して、被告人が本件を認めていないこととも併せて「本当に悔しい、許せない気持ちでいっぱい」「刑務所の中で、今まで自分がしたこと、これからの自分をちゃんと考えて」などと厳しい処罰感情を吐露しているのも、もっともである。
 加えて、被告人は、平成10年6月16日に電車内で女性の両ひざを触るなどした痴漢行為による迷惑防止条例違反により罰金5万円に処せられ、さらに、17年3月23日に、女子高生のスカート内をのぞき見る目的で手鏡を差し出したとする同条例違反で罰金50万円に処せられ、厳に自重自戒するべき立場にあったにもかかわらず、それからわずか1年半にもならないうちにまたもや本件犯行に及んでいるのであって、この種事犯に対する規範意識に相当問題があると言わざるをえず、再犯のおそれも否定できない。
 しかも被告人は、その失うものの大きさにかんがみれば理解できなくもない面もあるにせよ、前述のとおり、本件での犯人性を争い、不合理な弁解を弄しており、真摯(しんし)に反省しようとする姿勢が全く認められず、強い非難を免れない。
 そうすると、本件の犯情は悪く、被告人の刑事責任は重いというべきである。
 3 他方、被告人は、前記の罰金前科以外に体刑前科はないこと、本件によって、110日間余りにわたる身体拘束を受け、マスコミの報道等を通じて厳しい社会的非難を浴びたほか、勤めていた大学の職も失うなどの相応の社会的制裁を受けているといえること、養うべき妻子がいることなど、被告人のために酌むべき事情も認められる。
 4 しかし、これらを十分に斟酌しても、被告人は、前記のとおり、既に2回にわたって同種事犯により罰金刑に処せられていた上、本件犯行時点で、妻子を有し、大学に勤める身上であったのであり、その挙動には強い自重が求められていたにもかかわらず、本件犯行に及んだことは、その社会的責任を放棄するにも等しく、厳しい非難に値する。そうすると、もはや社会内での更生は期待し難く、被告人を主文のとおり実刑に処するのを相当と判断した。

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DATE : 2007/10/16 (Tue)

判決は求刑6月に対し、実刑4月ということのようですね。

まずは判決理由が知りたいです。
昨日も、というかずっと書いていますが、私は植草さんの無実を確信しています。
裁判の内容を通して、はっきりと無実を確信しているのです。

無実を無実と認めてもらう事はこんなに難しいものなのですね。
被告は無実の証明を強いられないはずなのですが・・・。
判事3名にはがっかりしました。

まだまだ辛く長い闘いが続く事になるようです。

とりあえず、ひとつの区切りとして、
今まで私のサイトを見て、植草さんの事件に関心を持って一緒に裁判を注視して下さった方、
私をもがんばれと支えてくださった方々、
一緒に植草さんを応援してきた方々、
皆様ありがとうございました。(やめるわけではないですが今までのお礼を。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
支援者の方々のサイトもぜひ一度訪問してみてください。
mojoさんは検察側の証言に基づき、図面を書いて下さり、
植草さんはやってないという事をわかりやすく説明してくださっています。
mojoコメント備忘録

植草さんの同級生の方のブログも読んでみてください。
一秀くんの同級生のブログ

ライブドアニュースの植草さんへのインタビューも通して読んでみてください。
植草一秀教授に聞く痴漢冤罪事件と権力の闇(1)~(7)

mojoさんの図解を見て事件は植草さんが起こしたものではなく間違われたものだと言う事を知って欲しいです。
同級生の方の書いたサイトを読んで、植草氏の人柄も知って欲しい。
私のブログにももうずっと書いています。
時間がある時で結構ですので、一度私のブログも過去に遡って読んでみてください。
私がどうして植草さんが無実だと確信しているのかわかっていただけるかもしれません。


DATE : 2007/10/15 (Mon)

明日、判決が出ます。

この一年、前回巻き込まれた事件から考えれば3年半、植草さんの裁判を注目してきましたが、私は最初に感じた時と同じく今も植草さんの無実を確信しています。
検察側・弁護側・・・多くの証人の証言を聞き、植草さんの無実は私の中で裏づけが取れた形です。

私は、弁護側証人が犯行時間、植草さんが痴漢をしていなかった事を見ていた事実は非常に重いと考えるし、合理的疑いを超える証明がなければ有罪とされないという基本原則からしても明日は無罪判決が出て然るべきだと考えています。

今日は前日だからか、新聞社、テレビ局、報道関係各社からのアクセスがとても多い。
注目されている裁判なのだと感じる。
新聞社やTV局はどのような注目の仕方をしているのだろうか。

私は、裁判の基本原則が守られるか、無実を無実と判断することができるか、信頼してよい司法なのかという点で注目しています。


DATE : 2007/10/15 (Mon)
  東京地方裁判所 刑事第2部 
  2007年10月16日 午前9時20分 東京地方裁判所正門玄関1番交付所 
  迷惑防止条例違反 平成18年特(わ)第4205号 
  <抽選>当日午前9時20分までに指定場所に来られた方を対象に抽選します。
      開廷時間は午前10時00分です。 

10月16日、判決公判。

DATE : 2007/10/12 (Fri)
追記:ひらのゆきこさんという方が10月4日に行われた会の記事を書いていらっしゃいます。

「女性セブンの記事はデタラメ」植草一秀さんと梓沢和幸弁護士の話を聞く

とても良い記事でした。
是非皆様一度お読みください。

http://www.news.janjan.jp/living/0710/0710083639/1.php

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

検察側目撃者は第2回公判で証言をしていますが、最終弁論で、その証言が公判の後に変更されたことが明らかになっています。

mojoさんのコメントをこちらにも転載させていただきます。

目撃者は何度も検察にも警察にも足を運び、自分が見た事実を確認しているはずです。
そのように証言されました。
それがなぜ公判後に変更されたのか、考えていただきたいと思います。


・・・・・・・以下mojoさんコメント・・・・・・

この時期というか、最終弁論でやっと出て来たと言うべきでしょうか? 
ほとんどの「えん罪事件」で共通する要素が、今回の植草さんの裁判でも出て来ました。
裁判では「不当判決」が出る事もありますが、いわゆる「正しい裁判」には無くて「えん罪の裁判」に、よく見られる特徴・・・つまり、検察側の『供述内容の変更』です(当然、有利になるように変更される) 以下、最終弁論の速記録よりーーーーーーーーーーーーーーー
Tさんは、被害者から離れた犯人の動きについて、先ほど言いましたように、「1~2歩後ろのほうに下がって、乗車したドアと反対のドアのほうを向きました」と述べています。
したがって、このような動きになります。これが公判供述の場合です。

ただ、Tさんが後につくった供述書によると、この動きはちょっと変わります。
このように右後方に下がったことになります。いずれにしても、Tさんの供述によれば、犯人と、被害者が抗議していた相手の男は同一人物だったということになりますが、実は被害者が抗議をしていた際の相手の男の位置について、Tさんの具体的な供述は存在していません。

ーーーーーーーーーーーーーーーー 昨年12月の「公判供述」のあとに「Tさんが後につくった供述書」として、供述の内容が変更されたようです。
 冒頭の証拠調べで、この調書は検察側で作られた証拠だと分かります。
ーーーーーーーーーーーーーーーー ○I検察官 これは同意いたしますが、この証拠は、かつてうちのほうで甲54で請求していた書証ですので、これを改めて請求させていただきます。

○神坂裁判長 じゃ、概要だけ述べてもらって。

○I検察官 Tさんが本件の状況について目撃した際のことを再現した内容です。

ーーーーーーーーーーーーーーー (変更された内容)
犯人の重要な動きに関して「犯行後、うしろに1・2歩下がった」が「右後方に下がった」と、動きの幅が小さくなり、しかも「右後方(=植草さんの位置に近くなる)」と、供述内容が変更されているようです。この変更によって、何が変わってくるのか?
K証人 少し間隔はあけていましたが、向きを大幅に変えたり、位置を大幅に移動できるほどすいてはいなかったので。  
ー>逮捕者K氏の証言に近くなる ということです。 
証人に対して、再び聴取する事は、おかしくありません。弁護士が聞く事もあるでしょう。
問題なのは、アンチがよく批判する「後だしジャンケン」なのです。どうも、検察が何か事情があって、証言内容を都合良く変更したように見えます。 ・当初、被害者同様「後ろに2・3歩下がった」だった・2回公判後、速記録の証言に疑問が出された   (検察は「犯行の様子」を練り直し)・T証人の証言が修正される(場合によっては、被害者も)・“修正”の結果、“偶然にも”逮捕者K氏と近いものになる 

  (証言のスリ合わせが行われたと推測される) この検察の証人は重要な場面で「証言の変更」を行いました。 検察官が「少し、変えた方がいいかな?」と思い、事実関係の変更が可能だとしたら、それは「真実ではないこと」を意味します。←そんな、コロコロ変わるワケがない。 (安易な変更の有無は「真実かどうか」を見分けるポイントになる) 検察側目撃者は、警察に3日後に名乗り出た時点で「犯人がどのように動いたか?」は、
重要なので、かなり詳細に聞かれているハズです。

6時間も聴取されたと証言しているのだし。
 起訴状の作成には、当然この「目撃証言」も、参考にしているはずです。
それが公判で証言をした後に「実は犯人は、右後方にチョット下がっただけでした」と、重要な変更をしたのです。これは、明らかにおかしいと思います。 

後日、聴取されて思い出すのなら、公判の時に、そう証言すればいいのです。(公判後、いろいろな“情報”によって、誰かが「これじゃマズい」と感じたのでしょう。) 一般的に、検察官などの取調べをする人は、死刑を争う事件でさえ、時には無実の人から「自白」を誘導してしまう事もあるのです。

つまり、その道のプロです。例えば、再聴取の際、T氏に対して 「よーく、思い出してください。違うんじゃないのかな?」「本当に、後ろに下がってドアの方を向いたの?」「そうそう犯人はこっちの方に“少しだけ”移動したんでしょう」 彼らが納得行く内容になるまで、上記のようなやり取りを繰り返し「逮捕者K氏の証言に近い内容」に変更された可能性も無いとはいえない。
(一般的には「証言の誘導」と言うのかな) 植草さんや弁護側証人は、それぞれが見た事を、そのまま証言しています。これは、アンチが「相互に矛盾しているんじゃないのか?」との発言を見ても、それぞれが独立した「あくまで、自身が経験した事」を証言しているからです。
 ところが有罪を示す「検察側に有利な証言」では、T氏が「犯人の動きの記憶」を変更した結果で、別の証人(K氏)を補強するような内容に変わりました。 「真実ではない主張」は、安易な変更をしがち(少しでも本当らしく見せようと、塗り重ねるのが特徴)    
対して「真実を語る者」は、見た事を語るのみ(矛盾の有無とは無関係に独立している) 私は、植草さんと弁護側が『真実を語っている』と思います。


リンク:http://koufu.exblog.jp/5886563

DATE : 2007/10/12 (Fri)
本日発売の週刊金曜日に、10月4日に行われた
梓澤弁護士と植草氏の出席された会合の編集部による報告が掲載されているようです。

26ページには、PJでいつも記事を書かれている高橋清隆氏の
『植草事件の背景に巨大インサイダー疑惑』
の記事もあるようです。

DATE : 2007/10/11 (Thu)
mojoさんが今日、コメントをくださいましたが、世間には植草さんが犯人だと事件当初からなぜかずーっと言い続けている人たちがいるのです。
その方たちがmojoさんの図を訂正しろと何度も言っているそうです。

そこでちゃんと説明をしたいと思うのですが、mojoさんの書いてくださっていた図は、
【検察側証人の証言を基に】書いてくださった図です。
植草さんの証言を基にした図ではないですよ。

要するに検察側の主張を忠実に再現すると、おかしな部分がいっぱい。こういうことです。
mojoさんは検察側の証言を忠実に再現して矛盾を明らかにしようとしてくださっているのです。
mojoさんに図を、訂正しろと言っても・・・こちらでは訂正しようがありません。
検察側証人の証言ですから。

もしかしたら今まで見てくださった方もmojoさんの書いてくださった平面図が検察側証人の証言とわからずに見ていた方もいらっしゃるかもしれませんので、改めて是非訪問してみてください。

http://koufu.exblog.jp/6032733/(目撃証言の矛盾:mojoコメント備忘録より)
(リンク先にまたリンクがありますので見てください)
http://koufu.exblog.jp/4833753/(当時の状況:mojoコメント備忘録より)


【検察側証人の証言】はおかしいんだということがわかります。
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7月4日公判:目撃証言はこちら
■平成19年7月4日■
新たな目撃証人が植草氏の無実を立証する極めて重大な証言を行いました。
是非お読みください。
 
 7月4日公判での目撃者証言
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■『植草事件の真実』に関して
植草事件の真実
は数名が個々の考えを書いたものを一冊にまとめたものです。
私は全体を通してのチェックはしておりません。 他の方がどのような内容を書かれているかも一切関知しておりません。
私は2004年に起きた事件の事を書いており、今回の事件に関しては言及していません。
※なお、この本の出版・内容・主張は植草一秀氏も関知しておらず、一切関係ないことをお断りしておきます。

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尚、ブログ内での私の発言は植草氏とは関係なく全ての責任は私にあります。
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