category: 植草一秀氏
DATE : 2007/06/07 (Thu)
DATE : 2007/06/07 (Thu)
問題のある現行微物鑑定(繊維鑑定)~太さが1.5倍も違う繊維を「非常に類似している」と鑑定
現行の微物鑑定(繊維鑑定)は手放しで賞賛できるレベルのものではない。
微物鑑定が証拠として提出された97年痴漢冤罪、いわゆる「長崎事件」では、「繊維鑑定書」では被疑者の手から採取された200本の繊維のうち、10本が痴漢をされたとする女子高生の下着と同じポリエステル製であり、「非常に類似している」との鑑定結果が添えられた。
しかし、被疑者と弁護人が私財を投げ打って民間の研究機関、大学、下着メーカーなどに改めて繊維の鑑定を依頼し、調査した結果は「繊維の太さが45%も違う」「別の衣類の繊維である可能性が極めて高い」というものだった。
ポリエステル繊維の太さが1.5倍も違うということはどういうことか?
旭化成で繊維の開発に従事した経験のある友人に聞いたところ「繊維の太さが変われば下着にせよ、上着にせよ、厚みも通気性も変わってくる。特にポリエステル自体は吸水性が乏しいので、下着であれば用途や季節が別と考えていいだろう」とのことであった。
そのため、裁判所もさすがに「鑑定結果は結局不明」として証拠採用を取りやめた。
(産経新聞:2007.5)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
97年の話ですが、繊維鑑定の部分で参考になるかと思いましたので書いておきます。
この事件の繊維鑑定。
検察に言わせれば『非常に類似している』鑑定結果は利害関係も一切ない民間の繊維のプロに言わせれば『別物と考えてよい』との事。
それから10年、鑑定技術は進歩しているに違いない。
それでも検察側が『類似』という表現をせざるを得ない植草氏の事件の鑑定結果というのは、
検察自ら『一致はしていない』
と言っているようなものなのです。
また、この事件は証言の信憑性が争点になっていましたが、男性は手をふり払われた時、
『すみません』と言った。
それを痴漢を認める言葉だったとして一審有罪になったのだ。
有罪とする根拠はそれしかなかったのだ。
裁判で嘘をつくと偽証罪という罪に問われるのかな?
全く別物でも類似と表現することは嘘ではないのかも知れない。
色だけは似てたんだ・・・。とか。いろいろ偽証罪にならない言い訳はあるでしょう。
植草氏の事件のように警官は聞いた、植草氏は言ってないという水掛け論に持ち込むことも警官の証言をはっきり嘘と証明するのは難しいことなのだろう。
しかし、人の人生を左右する裁判だ。
裁判官も正確な資料を見せてもらえなければ判断を誤ってしまうではないか。
検察や警察の不祥事や罪のでっちあげなど『まだあるか!?』と思うほど明らかになってきていますが、嘘の証拠は出さずに正々堂々とやってほしいものです。
現行の微物鑑定(繊維鑑定)は手放しで賞賛できるレベルのものではない。
微物鑑定が証拠として提出された97年痴漢冤罪、いわゆる「長崎事件」では、「繊維鑑定書」では被疑者の手から採取された200本の繊維のうち、10本が痴漢をされたとする女子高生の下着と同じポリエステル製であり、「非常に類似している」との鑑定結果が添えられた。
しかし、被疑者と弁護人が私財を投げ打って民間の研究機関、大学、下着メーカーなどに改めて繊維の鑑定を依頼し、調査した結果は「繊維の太さが45%も違う」「別の衣類の繊維である可能性が極めて高い」というものだった。
ポリエステル繊維の太さが1.5倍も違うということはどういうことか?
旭化成で繊維の開発に従事した経験のある友人に聞いたところ「繊維の太さが変われば下着にせよ、上着にせよ、厚みも通気性も変わってくる。特にポリエステル自体は吸水性が乏しいので、下着であれば用途や季節が別と考えていいだろう」とのことであった。
そのため、裁判所もさすがに「鑑定結果は結局不明」として証拠採用を取りやめた。
(産経新聞:2007.5)
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97年の話ですが、繊維鑑定の部分で参考になるかと思いましたので書いておきます。
この事件の繊維鑑定。
検察に言わせれば『非常に類似している』鑑定結果は利害関係も一切ない民間の繊維のプロに言わせれば『別物と考えてよい』との事。
それから10年、鑑定技術は進歩しているに違いない。
それでも検察側が『類似』という表現をせざるを得ない植草氏の事件の鑑定結果というのは、
検察自ら『一致はしていない』
と言っているようなものなのです。
また、この事件は証言の信憑性が争点になっていましたが、男性は手をふり払われた時、
『すみません』と言った。
それを痴漢を認める言葉だったとして一審有罪になったのだ。
有罪とする根拠はそれしかなかったのだ。
裁判で嘘をつくと偽証罪という罪に問われるのかな?
全く別物でも類似と表現することは嘘ではないのかも知れない。
色だけは似てたんだ・・・。とか。いろいろ偽証罪にならない言い訳はあるでしょう。
植草氏の事件のように警官は聞いた、植草氏は言ってないという水掛け論に持ち込むことも警官の証言をはっきり嘘と証明するのは難しいことなのだろう。
しかし、人の人生を左右する裁判だ。
裁判官も正確な資料を見せてもらえなければ判断を誤ってしまうではないか。
検察や警察の不祥事や罪のでっちあげなど『まだあるか!?』と思うほど明らかになってきていますが、嘘の証拠は出さずに正々堂々とやってほしいものです。
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★「自身と家族の名誉を守る」闘い
NAME: mojo
「長崎事件」の場合、検察側の唯一の物的証拠の警視庁科学捜査研究所の「繊維鑑定書」の鑑定方法については、こちらのHPにもありますので、引用させていただきます。
「痴漢えん罪長崎事件」
http://www.rikkyo.ne.jp/univ/araki/chikanenzai/case/nagasakicase.htm
ーーーーーーーーーーーーーーー
警視庁科学捜査研究所は、太さを測定もせずに、ただ目で見ただけで類似しているという鑑定書を作っていたことが裁判のなかで明らかになったのです。
ーーーーーーーーーーーーーーー
↑このパターンって?
(以下、霞っ子クラブさんの第3回の傍聴記より、裁判官の質問より)
ーーーーーーーーーーーーーー
「青い獣毛繊維が被害者のスカートと類似しているとなってますが、これが被告人のネクタイの構成繊維である可能性はないんですか」
「被告人のネクタイは絹だと聞きました。……ネクタイの色は赤色だと聞いたので憶測ですが、赤いネクタイに青い繊維を使う事はないと思います」
「ネクタイはあなた見たんですか」
「えーーーーっと……表示がそうなってました」
「表示を見ただけ!?現物は見てないんですか?」
「参考という事で見ました」
「ただ見ただけですかw顕微鏡で見たりはしたんですか」
「一応形態が違うのは確認しました」
おぃおぃ…大丈夫か?
神経質に鑑定してると思いきや、
現物は参考程度に見ただけ?チェックしたのは表示だけかよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
科捜研って、97年の長崎事件から10年ほど経っても「変わらぬ手法」←ホントですか?
技術的には間違いなく、より精密な検査が可能なハズでしょう。当時からそうだと思いますが。きっと、民間のメーカーなら一発で「あぁ、これは違う繊維でしょうね」なんて、答えが出そうな気がします。
天下の『警視庁科学捜査研究所』です。
そんな、目で見るだけなんて、カンと経験による職人ワザで結果を出している訳じゃないでしょう。つまり、精密な検査をすると「違う繊維の可能性が高くなる」から、『あ・え・て、似ているモノ』というような表現になっているんじゃないでしょうか?
◎唯一の物証・・・繊維鑑定
私が疑問に感じる一つに「ネクタイから、スカートの(青い)繊維が出た」とのことです。でも、手は分かるけど、ネクタイにスカートの繊維が付くのはどういう場面で付くのでしょう。(付かないとは言わないけど)
・ネクタイが密着するほど? ←女性の上着の方の繊維はどうなの?
・手からネクタイに移った? ←となると「逮捕者」「駅員」も触っている。
この「ネクタイに付いていたという、数本の繊維片」に関しては、事件とは全く別の機会に付着したモノと考える方が、合理的だと思います。
逆に最も大事な「下着の繊維」の方は「そこら中にある繊維」ということで、採用されていないのですが「証拠にならない」と言うけど「触っていない証拠」を意味しているのかもしれません。
植草さんが、いくら「わたしがやっていない」と主張しても、「謝るようなしぐさ」とか「(無言なので)痴漢を認めたと“思った”」という警官。「覚えが無い」→何故か報道では(酔っていて)が足されて、しらばっくれているような印象を与える情報。「警察に嵌められた」発言の報道、等々・・・
当時、どのような取調べがあったのか(植草さんの証言)のやり取りを見ると、話題になっている「富山の冤罪事件」と、似たような事「調書の捏造など」が植草さんの身にも起きていたことを裏付けているように思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
1441. 弁護人1 先ほどの準抗告申立書を見て、このような書類があることを知って、あなたは先ほど驚きましたということでしたけれども、この書類について、あなたはどのように思いましたか。
1442. 植草被告人 そのような書類が捏造されているということを知って、激しい怒りを感じました。
1443. 弁護人1 その後の警察での取り調べの際に、このような書類があることについて、あなたからその取り調べの警察官に対して何か話をしたことがありましたか。
1444. 植草被告人 はい、ありました。
1445. 弁護人1 どのようなことを話しましたか。
1446. 植草被告人 私はその申立書を見た後で、取り調べの際に、そのことを問いただしたところ、その取り調べの警官は、「そんなことまで知ってるの。恐ろしいね」というようなことをいいました。
1447. 弁護人1 その警察官はそれ以外に何か感想を述べましたか。
1448. 植草被告人 そのときに「でっち上げだというんだな」といいました。
1449. 弁護人1 でっち上げというような表現を、あなたはその取り調べをした警察官以外の人の口から聞いたことがありましたか。
1450. 植草被告人 はい、ありました。
1451. 弁護人1 それはだれですか。
1452. 植草被告人 それは検察庁での検事からです。
ーーーーーーーーーーーーーー
富山の人は、この当局による「密室のやり取り」「調書の偽造」と「証拠の捏造」により、実刑になりました。植草さんの場合、すでに各種の証言に矛盾やほころびが出ています。つまり、慎重に証拠を見ていかないと、また富山の冤罪と同様な事が起きる可能性が高いという事でしょう。
最後に、この長崎事件の文章で、印象に残ったことばが
>たかが罰金5万円の事件ですが、私と私の家族にとっては一生の名誉の問題です。
植草さんに限らず「濡れ衣を晴らす」というのは『自身と家族の名誉を守る』ための闘いです。
「痴漢えん罪長崎事件」
http://www.rikkyo.ne.jp/univ/araki/chikanenzai/case/nagasakicase.htm
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警視庁科学捜査研究所は、太さを測定もせずに、ただ目で見ただけで類似しているという鑑定書を作っていたことが裁判のなかで明らかになったのです。
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↑このパターンって?
(以下、霞っ子クラブさんの第3回の傍聴記より、裁判官の質問より)
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「青い獣毛繊維が被害者のスカートと類似しているとなってますが、これが被告人のネクタイの構成繊維である可能性はないんですか」
「被告人のネクタイは絹だと聞きました。……ネクタイの色は赤色だと聞いたので憶測ですが、赤いネクタイに青い繊維を使う事はないと思います」
「ネクタイはあなた見たんですか」
「えーーーーっと……表示がそうなってました」
「表示を見ただけ!?現物は見てないんですか?」
「参考という事で見ました」
「ただ見ただけですかw顕微鏡で見たりはしたんですか」
「一応形態が違うのは確認しました」
おぃおぃ…大丈夫か?
神経質に鑑定してると思いきや、
現物は参考程度に見ただけ?チェックしたのは表示だけかよ。
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科捜研って、97年の長崎事件から10年ほど経っても「変わらぬ手法」←ホントですか?
技術的には間違いなく、より精密な検査が可能なハズでしょう。当時からそうだと思いますが。きっと、民間のメーカーなら一発で「あぁ、これは違う繊維でしょうね」なんて、答えが出そうな気がします。
天下の『警視庁科学捜査研究所』です。
そんな、目で見るだけなんて、カンと経験による職人ワザで結果を出している訳じゃないでしょう。つまり、精密な検査をすると「違う繊維の可能性が高くなる」から、『あ・え・て、似ているモノ』というような表現になっているんじゃないでしょうか?
◎唯一の物証・・・繊維鑑定
私が疑問に感じる一つに「ネクタイから、スカートの(青い)繊維が出た」とのことです。でも、手は分かるけど、ネクタイにスカートの繊維が付くのはどういう場面で付くのでしょう。(付かないとは言わないけど)
・ネクタイが密着するほど? ←女性の上着の方の繊維はどうなの?
・手からネクタイに移った? ←となると「逮捕者」「駅員」も触っている。
この「ネクタイに付いていたという、数本の繊維片」に関しては、事件とは全く別の機会に付着したモノと考える方が、合理的だと思います。
逆に最も大事な「下着の繊維」の方は「そこら中にある繊維」ということで、採用されていないのですが「証拠にならない」と言うけど「触っていない証拠」を意味しているのかもしれません。
植草さんが、いくら「わたしがやっていない」と主張しても、「謝るようなしぐさ」とか「(無言なので)痴漢を認めたと“思った”」という警官。「覚えが無い」→何故か報道では(酔っていて)が足されて、しらばっくれているような印象を与える情報。「警察に嵌められた」発言の報道、等々・・・
当時、どのような取調べがあったのか(植草さんの証言)のやり取りを見ると、話題になっている「富山の冤罪事件」と、似たような事「調書の捏造など」が植草さんの身にも起きていたことを裏付けているように思います。
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1441. 弁護人1 先ほどの準抗告申立書を見て、このような書類があることを知って、あなたは先ほど驚きましたということでしたけれども、この書類について、あなたはどのように思いましたか。
1442. 植草被告人 そのような書類が捏造されているということを知って、激しい怒りを感じました。
1443. 弁護人1 その後の警察での取り調べの際に、このような書類があることについて、あなたからその取り調べの警察官に対して何か話をしたことがありましたか。
1444. 植草被告人 はい、ありました。
1445. 弁護人1 どのようなことを話しましたか。
1446. 植草被告人 私はその申立書を見た後で、取り調べの際に、そのことを問いただしたところ、その取り調べの警官は、「そんなことまで知ってるの。恐ろしいね」というようなことをいいました。
1447. 弁護人1 その警察官はそれ以外に何か感想を述べましたか。
1448. 植草被告人 そのときに「でっち上げだというんだな」といいました。
1449. 弁護人1 でっち上げというような表現を、あなたはその取り調べをした警察官以外の人の口から聞いたことがありましたか。
1450. 植草被告人 はい、ありました。
1451. 弁護人1 それはだれですか。
1452. 植草被告人 それは検察庁での検事からです。
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富山の人は、この当局による「密室のやり取り」「調書の偽造」と「証拠の捏造」により、実刑になりました。植草さんの場合、すでに各種の証言に矛盾やほころびが出ています。つまり、慎重に証拠を見ていかないと、また富山の冤罪と同様な事が起きる可能性が高いという事でしょう。
最後に、この長崎事件の文章で、印象に残ったことばが
>たかが罰金5万円の事件ですが、私と私の家族にとっては一生の名誉の問題です。
植草さんに限らず「濡れ衣を晴らす」というのは『自身と家族の名誉を守る』ための闘いです。
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